*本記事は、弊社CEO蒲原が「新規赴任者セミナー」で講演を行った内容の一部です。
タイは日本と比較してもかなりの売り手市場です。2018年時点で、日本の失業率は2.4%、対してタイの失業率は1.2%です。
しかし、売り手市場かつ親日国のタイでも、日系企業の人気はあまり高いとは言えません。
「就職したい企業ランキング」で50位以内にランクインしている日系企業は、「トヨタ自動車」「ホンダグループ」「マツダ」のみです。何年か前には日系企業はもっとランクインしていましたが、今は3社のみです。
日系企業がそれほど人気とは言えないだけでなく、採用に際してタイ人が持つ文化は、日本人の文化とは異なっています。
タイ人を採用する際には、コツが必要なのです。
この記事では、タイ人を採用する際のコツについてお伝えします。
内定はすばやく
特に、他社に先を越されないようにするというのは、重要なポイントです。
内定はすばやく出しましょう。
先に述べたように、タイは売り手市場です。そのため、候補者が複数の内定を持っている事も多いです。
先に他社で採用されてしまわないよう「書類選考に時間をかけすぎる」「面接結果を出すまでに数週間かける」ということは避けましょう。
転職活動のスピードを比較しても、1社目の書類応募から内定承諾まで、1ヵ月以内に完了する割合はタイでは58.9 %、日本では9.8%というデータがあります。
面接時に行うべきこと
面接を行う際、現場に営業のマネージャーなどを務めているタイ人がいれば、その方も面接官に含めた方が良いです。
候補者によっては、タイ人と日本人とで対応を変えてくる方もいるためです。
日本人には非常に丁寧だが、タイ人相手には丁寧でないということもあります。
また、面接後にはフィードバックをしましょう。
フィードバックがないと、候補者が落選したと勘違いをして、別の会社に応募するなどしてしまうことがあるためです。
3日で辞めてしまう候補者も
候補者の入社後にもポイントがあります。
タイ人はすぐに会社を辞めてしまいがちなので、リテンション(人材の維持)のための工夫が必要です。
たとえば、入社初日は非常に重要です。
ここで「歓迎されている」と候補者が感じることができなければ、3日で辞めてしまうこともよくあります。
歓迎ムードを出すために、入社初日にはウェルカムランチなどを行いましょう。
「クライアントと約束があって入社日にウェルカムランチができないので、翌日でもいいですか」
とリクエストが入ることがよくありますが、それでも極力初日に行えるよう努めましょう。
このリテンション(人材の維持)については、相談を受けることが非常に多いです。