吉永祐貴さん
E&H Precision (Thailand) Co., Ltd.
◇現在のお仕事を教えてください
車のエンジンのパーツを作る日系の会社でエンジニアとして現場管理の業務を行っており、駐在員採用枠でちょうどタイに来て1年になります。
◇タイに来た経緯を教えてください
働くことにおいての私の軸は仕事の内容だったので、正直、国にこだわりはありませんでした。しかし海外で働きたいという気持ちはあり、就職活動をする中で私に合っていると思ったのがタイでした。
◇もともと海外で働きたかったのですか
はい。シンガポールや中国への短期留学の経験や、大学院生だった時の研究室でも英語を使う機会が多くありました。英語のスキルには自信がありましたので、海外で働くことを選択しました。また、このまま日本の良い景気が続くとは限らず、逆に日本に居続けることの方がリスクが高いと思いました。若いうちしか自由にできないという考えから、思い切って海外で働こうと決意しました。
◇社内でのコミュニケーション方法を教えてください
タイ人が1200人程いる会社なので、社内でのやり取りは基本的にタイ語で行われます。タイに長くいる日本人マネージャーはタイ語を使い、中途採用の日本人は通訳を通しています。初めは私も通訳を通して会話をしていたのですが、それでは時間がかかってしまうので、使えないながらタイ語を使うようにしています。会社に30時間のタイ語の授業を提供してもらったのですが、それだけでは足りないので、100時間のタイ語の授業を1年間かけて終了しました。
◇タイ語を習得して何か変化はありましたか
はい。伝達する時間を短縮できるようになったことです。通訳の人は専門知識に欠けているのでまずはその人に言葉の意味を教えなければなりません。もう一つは、タイ人スタッフとの距離が近くなり、以前より信頼関係が構築されました。しかし、私の言語力の乏しさのせいで、伝達のミスが起こることがあります。私の思っていることとは違う捉え方をされていることがあるので、そこは非言語の難しさだと感じます。
◇どんな時にやりがいを感じますか
元々研究者を目指していたので、好きなことをしていたら世界にまだないものを作っていたと気づいた時には達成感があります。日本の皆足並みを揃えて仕事をするという考えは元々私には合わないと思っていました。海外では、一人一人の責任も大きくなるけれど、チャンスもあるので、自由にやらしてもらっています。
◇タイでの生活についてどう思いますか
仕事柄、精密機械を使うことが多いので、電圧が不安定なことは不便に感じることがあります、しかし不便なことも真新しいことばかりで、今様々な発見が楽しいと感じています。休日は、最近まではタイ語の授業を受けていました。他には、MBAを取るための勉強やゴルフ、またムエタイを体験しに行ったりと、タイならではのことに挑戦しています。
◇今後のキャリア設計を教えてください
今現在の仕事である、現場管理力を鍛えることはもちろん、経済や経営の勉強をしていきたいです。そして、学生時代に培った機械工学の知識、研究室で習得したエアコンの技術などをまんべんなく行い、やりたいことをやっていれば、スキルが研ぎ澄まされます。そのスキルが時代とマッチすれば、花開くのではないかと思っています。
Asian Leaders Career (記者 森兼みなみ)
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